更年期に差し掛かった女性には、「ホットフラッシュ」と呼ばれる、上半身・とりわけ顔からでる大量の汗や、のぼせ、ほてりに悩んでいる人がとても多いと言われています。

さらに、「すごく熱い」と感じ顔汗がダラダラと出ているのに、手先や足先は冷え切っている「冷えのぼせ」という症状も多くの人の悩みになっているようです。

ここでは更年期女性の多くを悩ませている「ホットフラッシュ」や「冷えのぼせ」が起きる原因。そして、その原因を知ることで、更年期の悩みを自分自身で対処できる方法をご紹介します。

いままで体験したことのない更年期への心配を少しでも減らし、少しでもツラさを軽減できればと思います。

顔から滝汗!ホットフラッシュの悩みは深刻

更年期といえば「ホットフラッシュ」、「ホットフラッシュ」といえば更年期、といわれるくらい、たくさんの更年期の女性を悩ませている「ホットフラッシュ」。その症状は、上半身(特に顔)が熱くなり、あり得ないくらいの顔汗に襲われます。

それも、「何の前触れもなく突然に」です。1日に起きる頻度や、汗の量などには個々の差がありますが、「前触れもなく」あふれ出る顔汗は、働いている女性(お化粧をしている方)にとっては、そのつどお化粧直しの必要が出てきますので非常に厄介ですね。

また、この症状が続く期間ですが、普通であれば閉経後5年くらいで落ち着くそうです。しかし、これも人それぞれ差があり、7~8年症状が続くこともあるそうです。私が話を聞いたAさんは10年悩まされたそうで、本人曰く「地獄の10年」だったと言っていました。

このAさんの更年期の頃の体験談を少しご紹介します。Aさんが「ホットフラッシュ」に襲われたのは本当に突然のことで、季節が春から夏になるころだったこともあり、1週間くらいは「最近やけに熱くなった」程度にしか感じていなかったそうです。

「そういえばいつもより汗がスゴイ出るなぁ」と感じたのは、症状が出始めて2週間が過ぎた頃だったとか。

ホットフラッシュの頻度も徐々に増えていき、いいかげん不安に思ったAさんは、彼女のお姉さんにそのことを相談しました。すると

「あんたソレ更年期やん。ヨウコソ!それ10年くらい続くよ~」と言われたそうです。

もう慣れっこ状態で、かつ専業主婦で出かけることも少ないAさんのお姉さんにしてみれば、それほど深刻な問題だと感じなかったようですが、Aさん自身は会社勤めをしており、日々のお化粧直しの回数が増加したこともストレスに感じていたようです。

当時は「もうメイクするのがもったいない」と思うくらいお化粧が無かれ落ちていて、それが数か月も続くと本当に気が滅入ってしまったと言われていました。

その後、ホットフラッシュを初めて経験して3カ月が過ぎるころ、Aさんは更年期による鬱になってしまい、それから本当に苦しい年月を過ごしたそうです。

更年期の冷えのぼせ・ほてりの原因

更年期であるかどうかに関係なく、「冷え性」を抱える女性は多くいます。このような冷え性に悩んでいる女性が更年期に突入すると、手や足はヒンヤリしているのに、顔だけに熱を感じ顔汗がだらだらとでる「冷えのぼせ」の状態になりやすいようです。更年期女性にはこのように、ほてり・のぼせの症状を訴える方が多いんです。

更年期に「ほてり」が襲ってくる原因は自律神経に関わるホルモンにあります。更年期になると卵巣ホルモンの一つ「エストロゲン」が減少します。そのことが脳の視床下部を刺激することで自律神経が正しい働きをすることができなくなります。自律神経は血管を太くしたり細くしたりして体温を調整する機能を担っています。

ですが、その機能がおかしくなってしまうことで、それまで適温だと感じていた温度であっても、「暑い」と勘違いをしてしまい、「汗をかけ!」となってしまうわけです。会社などで、周りの人は何ともないのに、自分だけ顔汗が酷い時はこのパターンが考えられます。

また、「冷えのぼせ」についても、自律神経の不調によって起こされます。血管の太さをうまくコントロールできないことで、手足の末梢血管が細くなってしまうことと並行して、上半身の血管が太くなりることで顔がのぼせてしまうんです。

冷え性持ちの女性は、ホットフラッシュや冷えのぼせの症状が出やすいと言われていますので、そのような人は常日頃の冷え性対策をしておいた方が良いと言えます。

更年期によくある他の症状として、イライラや頭痛が挙げられます。しかし、それらとは違い、突然症状が現れるホットフラッシュによる大量の顔汗や、ほてりは「周りの人の目が気になる」ことや「通勤でバスに乗るのがイヤ」になったり、「もう出勤したくない」といったぐあいに、深刻な悩みへと変わっていくことが多いです。

前述のAさんのように、お姉さんや家族に相談できればまだよいのかもしれませんが、多くの人がその悩みを打ち明けられずに苦しんでいることもあるようです。女性であれば更年期はやってきます。更年期と言うものがどういうものかというのを、あらかじめ知り「苦しいのは自分だけじゃない」と理解するだけでも、気の持ちようが違うように感じます。

ホットフラッシュの顔汗や冷えのぼせを緩和する術

ここまで、特に更年期女性が悩む「ホットフラッシュ」や「冷えのぼせ」「ほてり」の原因についてご紹介してきました。ここからは、それらの知識を活かして自分で対処できる、それらの症状の緩和方法をご紹介します。いずれも、すぐに効くというものではなく、継続することで効果を得られるものになっています。

  • 運動で日ごろから汗をかく
  • 食べてでる汗を防ぐ
  • 冷え性への意識
  • 精神的安定を!

まず、運動についてです。日ごろから運動をして汗をかくことは、顔汗がひどい方への対処法としても効果がありますし、自律神経を整える意味でも効果があります。さらには結構も良くなりますので、冷え性対策も兼ねることができます。

また、日ごろから汗をかきなれておけば、ホットフラッシュで大量に噴き出る顔汗があまり気にならなくなるかもしれないです。気にならなければ精神的にも落ち着きを取り戻せます。

次に食べ物についてですが、自律神経の不調により、血管が細くなることで「冷えのぼせ」が起きることは書きましたが、食べ物によっても血管の収縮はおこります。塩分の多い食事をすることでも血管は細くなってしまうんです。

また、お茶などの飲み物に含まれるカフェインにも同様の作用があります。ですのでこういった食べ物は控えた方がよいでしょう。ちなみに、喫煙も血管を補足してしまうので注意が必要です。

冷え性への対処も大事です。ホットフラッシュがおきてしまうと、じっさい熱いのでついつい体を冷やすことばかりを考えてしまいがちです。顔の汗もひどいじょうたいでしょうから無理もありません。

しかし何度も書いた通り、冷え性への対処は「冷えのぼせ」を防ぐ意味でも重要です。夏場のエアコンの効いた部屋などに居なければならないときは、なにか1枚用意しておいた方がよいでしょう。また、丈の短いスカートをはくようなシーンでも、素足は出来るだけ避け、ストッキングなどを履くようにしましょう。

最後に、精神的なストレスや緊張による発汗です。これは自分の意志ではなかなか止めることができないやっかいなものです。通勤でつかうバスや電車、また職場などの閉め切ったところに長くいる場合、緊張から顔汗がふきでる人がいます。

また、いちどでもそういう状況で、顔汗が出てしまったことがある人であれば、なおさらその緊張感は高まってしまうものです。そういう場合はなるべく出入り口に近い場所にいるようにして、少しでも外の新鮮な空気を吸える状況を作りましょう。

ゆっくりと深呼吸をして心と体を落ち着かせるように心がけましょう。職場などの場合は、その場でできる軽い運動や体を伸ばしてみるのも効果的です。

顔汗が酷かったり、顔がほてっている状態だと、周囲の目がとても気になると思います。そういう状況を繰り返していくうちにAさんのように鬱状態へと進んでしまい、外出する事さえも控えるようになってしまいます。

ただ知っておいて欲しいのは、「自分が思ているほど他人は自分の事を気にしていない」と言う事です。ですので、思い切って外へ出かけてストレスを解消することを考えた方がよいでしょう。

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この記事を書いた人

きりかぶ
「今あなたが顔汗がひどい事で悩んでいるのなら、それを招いてしまう要因と解消法を把握することからスタートすることが重要です。それを着実にこなすことで、顔汗に係わる不安を解消することも適うでしょう。」的な事を書いている新人ライターです。